本来高麗縁は、大紋と小紋のみであったが、後世に中紋が生まれてきた。小紋は九条紋ともいわれ、京都御所や二条城など古くから格式のある座敷に使用されている。実際造作に当たっては、大紋や中紋より特殊な技術が必要であることが多い。ここでは、九条紋の表し方について述べる。 先にも書いたように、実際京都御所や二条城の畳に付いている九条紋は1本の縁に丸紋1個半をのせて、隣り合う畳で半紋をひとつにし、2本の縁で丸紋3こ仕上げとなっている。現在市販されている九条紋は丸紋の直径やクロスされた線で作る菱型の大きさが小さいためにこのような表し方をすれば縁巾は1寸までであり、見た目に貧弱に思われることが多い。しかし、古来の九条紋は丸紋の直径もクロスの菱も大きく1寸3分近い縁巾になったということである。 王朝絵巻など見ても、九条紋の畳での生活が伺われる。絵師の描いたものなので、確実性はないが時代によって、何かの都合で変化したと思われる。 |
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九条紋の正しい(有職)出会いの文様 | |
あくまでも推測であるが、昨今になって縁巾を獲得するために現在の紋合わせと筋合わせが生まれたものと思われる。紋合わせは出会う2枚の畳でひとつの紋を作り、合計丸紋3個、半紋2個に仕上がる。逆に筋合わせは、2枚の畳で線(筋)を合わせて、合計丸紋4個の仕上がりになる。 | |
略式 紋合わせ | |
略式 筋合わせ | |
現在京都でも、3通りの合わせ方があるが、本来の丸紋3個の合わせ方が有職である限り、九条紋の機織業者に本来の大きな紋を作るように要請し、畳製造者は丸紋1個半の紋合わせに戻すことが有職を守る原点かと考える。 |
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